「ゆかりさんはなんでデザイナーを目指したんですか?」
これはよく聞かれるワードで、聞かれる方によって答えを変えています。
例えば「自分のデザインで救われる人が一人でもいたら幸せなので」や「表現が好きだから」「家で仕事をしたくて」「かっこいいから」等々、、
でも、本心は「わたし」だけを見てくれる世界が欲しくて辿り着いたのがデザイナーだったのです。
そのことについて、つらつら書いていきますね。
いや、本当に今回はつらつら書いているだけなので長いです、多分飽きます、
それでもいいよって方はお付き合いください!
自分が消えていく恐怖
私は3姉妹の真ん中っこで、その幼い頃からの環境もあってか八方美人で平和主義です。
それもあって自分の個性があまりないことに悲観してるとは思っていませんでしたが、結婚して子どもが産まれて、「〇〇さんの奥さん」「〇〇ちゃんのママ」「〇〇さん(夫の姓)」と呼ばれることが増え、自分だけを見て、自分の名前を呼んでくれる人が少なくなったことにストレスを感じるようになりました。
そして娘が話せるようになると、夫も私のことを「おかあさん」と呼ぶようになりモヤモヤは一気に増加。
あれ、私ってなんなんだろうなーと考えるようになりました。
また私の母を見ていて、「お母さんでもなく妻でもない居場所」がないとどうなるんだろう、と恐怖感すら抱くようになりました。
母は3姉妹の子育てが終わり、現在平日はパートをしているので大きな変化はありませんが、土日は未婚で同居の姉が外出していると何もすることなく1日を過ごしているようです。
そんな母を見ていて、趣味くらい持ったら?と声をかけそうになったこともありますが、よく考えてみたら多忙な父はほとんど家事・子育てに参加することなく、その上実家義実家は頼れないという過酷なワンオペを十数年こなしてきたので、趣味に充てる時間なんてなかったんじゃないか?とも推測できました。
また、最近下記の記事を読んで「好きなことがわからない」状況にあったのではないかとも思えてきました。
母の姿を見て、私はどうなりたいか?を考えると、「わたし」だけで始まり「わたし」だけで完結する場所が欲しいと思うようになりました。
取り組んでみたこと
まずは子どもがいても働ける環境を探してみました。
我が家は転勤族で、住んでいるところには気軽に頼れる人がいない上、夫は贅沢をしなければ困窮しないくらいのお給料はいただいていたので(貯金は雀の涙ほどですが)私は自然と専業主婦になりました。
その時に私が持てるコミュニティは子育て広場などで出会ったママ友くらいで、私は「〇〇ちゃんのママ」として存在していたので、土日だけでも「わたし」になれる働き口を探しました。
そこで私が見つけたのはミステリーショッパーで、回数を重ねる内に「私にお金を支払ってでも作業をお願いしてくれる存在がある」という点では承認欲求は満たされていきました。
しかしお金はもらえても直接感謝されることはなかったので、モヤモヤの根源は解消されることなくわだかまりは残ったままで。
やはり、人から直接「ゆかりさん、ありがとう!」という言葉を聞きたい、、と貪欲な私は他の方法を模索するようになり、数年ぶりに大学入学の頃に買ってもらった2010年製のWindowsを立ち上げました。
やっと出会えたデザイナーという趣味
空いている時間にリモートワーカーとして入力の作業などをしていたとき、クラウドソーシングでWebデザインの講座を受けてアンケートに答える案件というものに応募しました。
そこでの講座で出てくる金額などは夢物語だなーと思ってましたが、「主婦でもこんなに自立した働き方が出来るんだなー」と興味を持ちました。
その時、タイミングよく国から新型コロナ対策として国民一人一人に10万円の給付が。
この10万円を元手にこのアンケート案件の講座を購入し勉強を開始しました。
(その講座の感想はこちら↓)
世の中に数多存在するデザインは、キレイにわかりやすく見せるために多くの原則があること、そしてそれを踏まえて「創る」ことができること。
そこに興味を持ち、同時期に始めたTwitterではフォローしているデザイナーさんそれぞれの色があって。
自分はこうだぞ!と表現できる力ってかっこいいなーとどんどんはまっていきました。
元々、建築関係の父の背中を見ていて何かを創り上げることに憧れていたので、尚更惹きつけられたのかもしれません。
趣味から職へ
バナーなどを作りつづけて数ヶ月、そろそろステップアップしてみようかな?と受注してみることにしました。
もちろん、お仕事となると求められるスキルは格段に上がりますし、自分の好きなものを好きなタイミングで作るわけではありません。
しかし運よく素敵なクライアントに出会い、「さすがです!」「完璧です!」というお言葉をいただけてからは、よりいいものを作りたいという気持ちから勉強にも力が入っていきました。
それからお付き合いいただけるお客様が少しずつ増え、年月はかかりましたが個人事業主として開業するに至りました。
プロとして仕事するからには、お客様の目標を達成させられるツールを作らなければならないので、たまに「このテイスト、あまり好きじゃないなー」と感じるものもあることは事実です。
そういう小さなストレスは趣味で作っていた時には得られなかった踏み台なので、さらに腕を磨くチャンスとして捉えていけたらなーと感じています。(気分が穏やかな時だけ、、笑)
社会人として「誰のものでもないわたし」だけで完結させられる環境を作ることができ、開業してから数ヶ月、現在は我が子以外から呼ばれる「おかあさん」に過度な反応をすることが減っていきました。
初めは私が勉強を始めた姿を静観していた夫も、現在は仕事としてすこーーーーーしずつ認めてくれているような気もします。
「仕事を通して完全に『わたし』を取り戻した!」という気持ちにはなっていませんが、現在取り組んでいるお仕事がオンライン上で完結してしまっていることが原因の1つでもあるのでは?と分析しています。
今後社会情勢が落ち着きを取り戻し気軽に外出・面会できるようになる日が来たら、オフラインでの仕事を増やしていきたいな、そのためにも出来ることを増やさなきゃだね!
…と、問題→原因→解決方法と考えるようになったのも、デザインを学んできたからかもしれません。
私が触れているデザインの世界はほんの一角で、もっともっと深くて難しいものだということを理解した上で、今後もデザインの世界、お邪魔させていただきますね。
自分らしくありたい方へ
誰よりもまず、自分を大切にしなよ!
なんて口では簡単に言えますが、自分の労わり方がわからなくなってからは本当に難しいことです。
現在、正直私も「自分の好物は?」「趣味は何?」「1時間フリータイムね、と渡された時にやりたいことは?」の質問にパッと答えが浮かびません。
いやー、書いてみて重症だな、と感じました。
でもでもこれから生きていく人生のほうが長いのだから、ちょっとずつリハビリしていこうと思います。
見向きもしなかったものに触れてみて、たまには小鳥や虫の気持ちになってみたりして。
惰性で選んでいたカフェラテも、ちょっとカスタマイズなんてしちゃって。
そうやっていつもとは違うことをやってみて、これは快適・これはなんか違うというように自分の感じたままを受け取ってみる時間を増やしていきたいと思います。
もし、「自分ってどんな人だったんだっけ?」という方がいらっしゃいましたら、一緒に「自分を感じる」をやってみませんか?
(仲間募集です!!!飽き性なので!笑)
最後に
今回はなーーーんにも考えずに、本当につらつら書き綴りました。
読み返してみて「〜ました。」が続いていて文章力が落ちてるなーと感じつつも、たまにはこうやって自分の中にあるものをバァァーーー!!!と放出させてみるのも気持ちの良いものですね!
参加しているオンラインコミュニティ(まるみデザインファーム)で、現在ちょうど「言語化祭り」というものをやっているのですが、気持ちを言葉にするのって本当にいいよなーと感じています。
もちろんデザインを言語化することで意図が明確になるなどメリットは山ほどありますが、自分のメンタルを労わる時にも「書き出す」って本当に大切なんだなーとしみじみ感じております。
そしてこの記事は、「私も同じだ!」と思っている方や、私と同じ環境にいる配偶者をお持ちの方に読んでいただけて、そして「こんな人いるんだなー、じゃあ自分(配偶者)の場合は?」など考えていただけたら幸いです。
では、またこんど。
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